今日は、「自分の感性に合った本を選ぶ」とは、どういうことなのかについて考えてみました。
実は、昨日、今年10月中旬に行われた情報処理技術者試験の合格発表がありました。情報セキュリティスペシャリストに初挑戦でしたが合格できました!
どうせ試験勉強を始めて1か月半ぐらいしか集中できないのだから…と、9月1日から勉強を始めたのです。
…が、直前に発達障害のイベントがあり、その準備が想像以上にハードで、結局、予定の半分も勉強できないまま、過去問も数問しか解けず…という、状態で本番試験を迎えてしまいました。
そんな悪条件でも合格できたのは、やはり、自分の感性に合った本に出合えたからだと思います。
試験対策本と言っても、やはり、書いた人の姿勢というのがとても染み出てきます。感性の合わない本は、読んでも、まったく頭に入ってきません。今回、本屋で対策本をぱらぱらと読んでみて、「これだーーーーーっ!」とビシビシ!きたのが↓この本でした。
要点早わかり 情報セキュリティスペシャリスト ポケット攻略本 (情報処理技術者試験)/技術評論社
¥1,764
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正直なこと言って、この本がなかったら、今回、合格できなかったと思います。
フツウの対策本は、ただただ用語の解説や事例の説明だけなのですが、この本は、
「どういう目的をもってそういうことをするのか」
まど、すごく具体的に頭の中で状況を想像できるような説明が書かれていました。
あと、他の本にはない特徴として、
「こうするのが理想だけど、そこまですると運用がまわらないから、そのことも含めて考えると、こうするのがよい」
というように、理想と現実の折り合いの見つけ方のようなことが、かなり書かれていて、「知識」だけではく、実際の業務に直結する「感覚」を身に着けられました。著者自身が実際の運用の中で、折り合いの付け方でかなり苦労されたのかもしれません。
「理想と現実の折り合いをつける」ということが苦手なあすぺさんにとっては、折り合いをつけるための明確な基準となる考え方が書かれていると、すごく役に立ちます。
で、もうちょっと勉強しようと思って、同じ著者(岡嶋裕史さん)の書かれたテキスト本も買いました。こちらは、ずっしりボリュームのある対策本。
平成25年度【春期】【秋期】 情報セキュリティスペシャリスト 合格教本 (情報処理技術者試験)/技術評論社
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こちらも基本的には先に挙げた「ポケット攻略本」と同じスタンスで書かれていますが、紙面を割いて丁寧に説明かかれています。
「感性」が合う人の本に出会うと、本当に世界が変わるというか、いきなり目の前に新しい世界が広がったような感じがします。全く苦にならずに読める上に、まったく引っかかることなくすんなりと頭に入って定着します。
試験対策本に限らず、私が好む本に共通していることは、著者の根本的な姿勢が一貫して、はっきりと感じられるもののような気がします。
その一貫した姿勢を前提にして読むので、一文一文に対して、ヘンに悩まなくてよくて、誤解をせずに読めるからなのだと思います。
つまり、これは裏返すと、前提がはっきりしていないと、その背景がよくつかめないために、一文一文に小さな矛盾や疑問を抱いてしまって、次へ進めない、頭が混乱して理解できない…ということでもあります。
実際、私自身、高校3年生で自分の感性に合った参考書・問題集があるというに気づくまでは、よくわからないまま、ただただ丸暗記しかできませんでしたし、それが「理解」だと思っていました。今から思うと、ものすごく「浅い」理解…いや「理解」なんてものじゃなかったと思います。
さて、今回の2冊の本も、著者の岡嶋裕史さんの「情報セキュリティに対するプロとしての姿勢はこうあるべき」というベースがとても明確に感じられ、そのベースの上にすべての説明がされているので、考え方の一貫性があって、とても理解がしやすかったのだと思います。
そのおかげで、通勤の隙間時間の勉強だけで、情報セキュリティスペシャリストとして、一番大切なベースを学ぶことができました、そのことが、午後Ⅰ・午後Ⅱの実践的な記述試験に対応できる力になったのだと思います。
さて、ここで1つ大切なことがあります。
この本は、私にとっては、最高の本でした。けれど、この本があなたにとって一番の参考書であるかどうかは、私にはわかりません。
一般的に良いとされている本や、他人が勧めている本が、あなたにとってどうなのか?人に勧められた本を読むのは、本との出会いのきっかけでしかありません。それを読んで、自分の感性に合っているかどうかは、あなた自身が判断することです。
一番大切なのは、「あなた」の感性に合った本を見つけること。
そのために…
今、あなたは、どんな価値観や姿勢を「いいなぁ」と感じますか?
今、あなたは、他人の勧めや評価に惑わされず、あなたの感性に響くものを大切にしていますか?
「自分にあった本を選ぶ」というのは、
あなたが大切にしているあなたの感性を選ぶということなのです。
