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Channel: 私はアスペルガー症候群でしーた♪
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自己否定感の罠 -発達障害当事者の思い込み(3)-

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こんにちは。しーたです(^▽^)/

定型発達の人は全能の神?!ー発達障害当事者の思い込み(1)ー
「得意なことがない…」と嘆く必要はないー発達障害当事者の思い込み(2)ー

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前回は、「得意なコトがない」なら、フツウのところを伸ばせ!というお話をして、
最後に「得意がない」ということも、本人の「自己肯定感」が大きく傷ついたことで「見えなくなっている」だけ、という言葉で締めくくりました。

今日は、その続きです。

よく、「発達障害だから、何か得意があるとは限らない。」という言葉を耳にします。


私自身のベースにある考えは、全く違います。

「発達障害に限らず、全ての人に何か得意がある」

確かに、発達障害の人に比べると、定型発達の人の能力の凸凹は、緩やかではありますが、
だからと言って、まったく凸凹がないわけではありません。

だから、得意なコトを伸ばせば、当然、伸びるし、秀でるはずなんです。

では、なぜ、そうならないのでしょう?

それは、その必要を感じないから。必死になってする必要がないから。

定型発達の人に都合のよい環境が揃っているので、必死にならなくても、そこそこ楽しく幸せに暮らせるからです。

だから、必死に苦しんでまで、得意を伸ばす必要性も感じないし、もし伸ばしたいと思っても、
モチベーションが低いので、すぐにあきらめてしまうんです。

ただ、それだけ。

世の中で成功した人の話を読めば、もともと世の中からはみ出ていた人もいますが、意外にもともとはフツウの平凡な生活をしていたけれど、何らかの事情で、「苦境」に立たされた時期があります。
そこで、必死に頑張ったことが転機になっています。

例えば、「子供がいるから、離婚できない。働くスキルがないから、離婚できない。」という人がいます。
けれど、この人の旦那さんが、もし、突然亡くなったら?この人と子どもの人生終わりでしょうか?

そんなこと言ってる場合じゃない!って、必死に生きる方法を探して、いろんなことにチャレンジして、
生活を続けている人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。



本来、どのような人にも伸ばせる得意はある。という事なのです。



さて、ここで発達障害の人に話を戻します。

もちろん、「すべての人に伸ばせる得意はある」わけですから、当然、発達障害の人にも伸ばせる得意はあります。

私は、「得意がある」という前提でその人を見て考えるようにしています

これが一番大事なのです。

「得意なんかない」という前提で見れば、どんなことも「否定的」にしかとらえられません。

「得意があるはず」という前提でみて初めて「得意」が見つかるんです。


「私、得意がないんです」という当事者の人と話をしていると、

「説明うまいやん?」
「めちゃめちゃ思考力あるやん?」
「頭の回転、めちゃ早いやん?」

と思う事が、かなりの確率であります。

さらに話を聴くと、

「それ、むしろいいことじゃない?」
「いや、そこを伸ばしたら伸びると思うで」

と思う事がいろいろでてきます。

先月開催した「Webサイト制作講座」や現在開催している「コミュニケーション講座」の受講生のほとんどが、それぞれに「ここ伸ばしたらすごいで」という能力を持っています。

けれど、そのことを伝えても、本人は「そんなことないです」と否定してしまう。もちろん、謙遜ではなく、本気で全否定してるんです。

もう、「自分はダメだ」と思い込んでしまっているんですね。

おそらく、周りの人からそういうことを言われ続けたのだと思います。
そして、それを本当だと信じ込んでしまったことで、本当にできなくなってしまっているのです。

ですから、コミュニケーション講座【本科:全5回】では、時間をかけて個人指導によって、この「私はダメだ」という思い込みを解いて、「新しい自分」のイメージをつくっていくことを行っています。

私自身は、塾の講師時代、他の先生方が「あいつは、どうしようもない」という生徒なのだけど、私には「この子、すごい能力をもってるぞ」と気づく事がよくありました。

たしかに、出会った時点では、成績は良くないし、問題行動も多かったりで、他の先生が手を焼いている状態です。
でも、現時点でのその問題行動や成績をいったん意識から外して、純粋にその子の行動や発言を見たり聞いたりすると、

・ものすごく頭の回転が速すぎて、相手の話のかなり先や想定範囲を、一瞬でかなり広範囲まで広げて考えている
・周囲の雰囲気を感じ取って、それを代表するような行動をしている

ことが多いのです。


それは、私自身が同じタイプだから、その人たちの思考過程や範囲を推測できるのだと思います。
私と似たタイプの思考回路の人の場合は、こうやって手に取るようにわかりますが、違うタイプの人の場合は、かなり苦労します。

言い換えると、そういう々思考を持たない人からは、「そんなことが”その人の頭の中でおこっている”ことを想像できない」わけですから、まったく理解できないでしょう。

「できないと思い込む」ことが、実際に、それをできなくしている。

そう、痛切に感じた体験がありました。

私は、昔から英語が苦手でした。足掛け25年以上、チャレンジしては玉砕し、一時休戦を繰り返して、数年前、やっと、ほんの少し芽が出始めました。

TOEICで390点台だったのが685点まで上がったです。

あるところで点数が伸びなくなって悩んでいました。

毎朝、通勤の間、Podcastで英語を聞きながら歩いていました。
同じ内容を繰り返し聞いているので、かなり聞き取りができる内容でした。

ある日、駅へ向かいながら、いつものPodcastを聴きながら、ふと…
「やっぱり、私は、どんなに勉強しても英語なんか上達できないんじゃないかな…」
と思ったのです。


その瞬間。

さっきまで、かなりの部分が聞き取れていたいつものリスニングが、まったく意味がとれなくなってしまったのです。

「え゛?!」

自分で驚きました。…っていうか、自分に何が起こったか、わけがわからなかったです。

「ちょ、まって!?さっきまで、聴き取れてたやん?!え、なんで?!」

さっきまで、確実に聞き取れていた部分まで、何を言っているのかわからない…
まるで、脳味噌の表面を滑って行って、中へ入ってこないような感じ。

そこで、ハッ!としました。

「私は、できない」

そう思ったことで、脳味噌が完全に拒否してしまったのですね。たぶん。

あまりの極端すぎるほどの現象に、驚くとともに、
「自己否定感」というものが、本来できることさえも「できなくしてしまう」
ということを改めて実感しました。

その後、「大丈夫。できるから!私!とりあえず、元のレベルまではいけるから!」
と、自分に言い聞かせて10分ほどして、元に戻りました…(;^ω^)

たまたま、もともとできていたことで体験したので、「私はできない」呪文にかかったということに気づけましたが、多くの発達障害の人の状況では、この呪文にかかっていることにすら気づけないのです。

ほんとうに、能力の凸凹のために、できないこともある。

でも、

本当はできるはずのことも、
「私はできない」呪文にかかって、できなくなっていることもある。



あなたは、「私はできない」呪文にかかっていませんか?

あなたは、当事者に対して、「あなたはできない」呪文をかけていませんか?



ぜひ、「私はできない」呪縛にかかっていることに気づいて、そこから抜け出してほしいと思います。


次回は、この「私はできない」呪縛にかかってしまう最大の原因「多数派という数の暴力」について考えたいと思います。


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